>>Home



"Stout Spirit 73" のフィールドテストにかかわって

山田 浩一



 ここ数年多くのライギョロッドが世に送り出されている。以前のように低弾性グラファイト素材の物ばかりでなく、変化を見せている。私自身も、それらのロッドを使用しながら折れにくくなっている等の進歩に対し驚きを感じている。
 パワーとレングスを釣り場に照らし合わせ、そのタックルの自重が軽ければ、魚を目視し難いカバーゲームにおいても、一投一投丁寧に探る事が可能になると思う。 今回、テストさせて頂き、完成に至った「スタウトスピリット73」は新しい技術が盛り込まれたライギョロッドである。

 以前には、ウィードベッドモンスターシリーズ中に7.4フィートモデルが存在していたが、そのロッドが姿を消してから、8フィートモデルがメインとなった。クリーク72以外はすべて7.6フィート以上である。7.3フィートクラスのパワーロッドの再生を、おおのさんにお願いした。

 テスト当初のブランクは、あまりの軽さに<しなり・曲がり>にもライギョロッドとして、現存している中では比較するものがないと思った。
 フロッグの飛び、アキュラシー性、ブランクの軽さは、素晴らしい。だが、パワーに物足りなさがあり、これを克服するとそれまでの良い条件が死んでしまうのではないか、という不安があったが、高次元のまとまりを見ることができた。

 280gに落ち着き、ピンとハリのあるブランクではあるが、靭性は失っていない。フックセットもしっかり行える。ただしティップによるチョンチョンアクション(細かなアクション)はあまり得意ではないが、ブランクが軽量であるため、ロッド全体でアクションが付けられるので、気にならない。

 釣り場によってはロングロッドでなければクリアーできない条件もあるので、ウイードベッドモンスター8フィートモデルとの組み合わせにより有効な攻め方ができ、ロストフィッシュが減らせることと思う。

(2005.11.17掲載)