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ア リ ヴ ェ ー ル 6 9 ダ ン ス




 私がネコリグ専用ロッドとして開発に携り「63ダンス」の完成後に引き続き開発を行ったのが「69ダンス」。

 開発の軸として頭にあったのは「中層シェイク」というコンセプト。
 私がネコリグで行っている完全リアクション狙いの釣りに対応できるというのが前提にあった。
 最初の1本目となった「63ダンス」を開発するにあたっての条件の一つとして「1本のみのモデルとして…」というのがあった。1本のロッドで、北湖という広大なフィールドにおいてシャローからディープまで対応できることが条件であった。
 そして「中層シェイク」という、通常バスがルアーをくわえ込んだ後のロッドティップのモタレを感じた後にフッキングを入れるような釣りではなく、ラインスラッグを張ったり緩めたりの連続したリズムの中でその変化を頼りにバイトを捉えて瞬間にフッキングしなくてはならないという特殊な釣りに対応しなくてならなかったのです。

 このような条件を満たすにはロングロッドではどうしても無理が生じ、それを無視して開発するわけにはいかなかったのです。

 ロングロッドにはパワーとルアーの飛距離の有用性が生かせる反面、ルアーの操作性はショートロッドと比べると低下してしまう。
 またバイトを感じてフッキングを行うという動作においてもどうしてもショートロッドには劣り、釣果の差となるシュチエーションが存在しているのです。
 ころころと変化していくフィールドの条件に対して常に1本のロッドで対応していくことは、非常に難しいことなのです。

 この点を踏まえて、長さを決めたのち細部の開発を行い完成したのが「63ダンス」であり、北湖という広大なイールドにおいても、オールマイティーに対応することのできるセッティングが可能なロッドが出来上がったのです。

 これは非常にタックルバランス(ライン、リグ、リールなど)が重要となる「中層シェイク」の釣りにおいて、基本動作をしっかりと身につけることを重要視して開発を行った形なのです。

 「63ダンス」が完成しその基本性能と趣旨を理解していただいた上で「63ダンス」から枝分かれしたモデルの「69ダンス」というロッドを開発する気になったのです。

 「63ダンス」を使用して狙っているのは、スピニングタックルでのライトリグとは言え、3キロもしくは4キロアップをアヴェレージと考えています。
 狙っているアヴェレージサイズを下げればもっと繊細でアキュラシーを求めたセッティングのロッドを作ることは可能です。
 しかしながら私の開発の舞台となった琵琶湖北湖は今や4キロサイズは当たり前と言っても過言ではないフィールドなのです。
 スピニングタックルとしての繊細さ残し、なおかつ琵琶湖北湖の大型化したバスの引きに耐えうるセッティングはもはや非常に限界点に近いバランスとなっていると思います。
 「69ダンス」はそんな「63ダンス」の基本的な性能の一部を崩し、ある部分に特化して形にしたものと言えます。

 その特化した部分というのはロッドパワーです。
 長くするということだけでも同じポンド数のライン強度をさらに引き出すことができます。
 (鮎の友釣りが非常に細いラインで、2匹のアユを引き抜くことができるのもあの鮎竿の長さにあります。)
 ただ、長くすることで困難となるのが、「中層シェイク」での、特に縦さばきのレスポンスが損なわれてしまうことです。
 しかし、この「69ダンス」は「中層シェイク」での縦さばきのアクションから瞬間的なフッキングの一連の動作までをしっかりとカバーすることのできる性能で開発をすることができたのです。

 「中層シェイク」での特殊なバイトにおいて対応できるセッティングであれば、通常の送り込みからフッキングを行う釣りには通常以上に対応することができます。
 ダンスシリーズのシャッキとした使用感はラインスラッグを思うままに操作しつつ、ルアーを動かしすぎないティップの柔らかさ、そして十分なロッドパワーを生み出すテーパーデザインが特徴となっています。

 「63ダンス」「69ダンス」共にルアーの操作感の良さ、バスのバイトの感じやすさ、そこからキャッチした1匹は、今までのスピニングタックルとライトリグの感覚を大きく覆へされる思いをする人も多いのではないかと思います。
 ぜひ一度試していただきたいアイテムです。

(2010.10.1掲載)