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アリヴェール63ダンスの開発



文:大野 知一

 ガンクラフト社のジョインテッドクローやスクリューベイトを駆使して湖北エリアをメインに活躍する「湖北の住民」こと長谷川耕司さん。彼は、これらのルアーを、多くの釣り人の予想に反し、ライトリグでワームを泳がすように静かに引く。

 一方、ワームでメインに使用している「スワンプクローラー」は、これをハードベイトを操るように、絶えずアクションを与え、リズミカルに動かすことで、バイトに持ち込む。

 その長谷川耕司さんとは、おおのがNBCのチヤプター事務局を引き受けていた関係もあって、十年来の付き合いがあった。彼は、スワンプネコ用のロッドとしてダイワのクリプトン(TD-BA601MLFS)を使っていたが、クリプトンは廃盤となってしまった。


廃盤となってしまったバトラー・クリプトン。

 「クリプトンの在庫はありませんか?」との相談から、おおのは、ジグヘッドスイミングワーム用に開発した“アリヴェール65”を長谷川さんのスワンプネコメソッドのロッドとして使えないか、試してもらうこととなった。

 以下は、アリヴェール65を使ったときに、おおのに頂いた長谷川さんの感想メール(2007.10.24)である。

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 本日、ロッド使わせていただきました。
 久々に、デスアダー6inJHをスイミングで引いてみました。
 すごいロッドですね!このクラスのワームのJHスイミングが
 ここまでストレスなく使えるロッドと初めて出会ったと思います。
 JHスイミングが楽しく使えるロッドだと思います。
 私のJHスミングのテクニックレベルでは現在のところ、申し分ないロッドだと思います。

 しかし、現在、ディープでの私のやっているスワンプ系のネコリグには、やはりちょっと合いませんでした。
 スワンプネコの活躍するポイントは超ディープで、10〜14メーターです。
 4〜7メーター付近でもよく使います。シンカーは1/16オンスです。
 このため求められるロッドの特性は『ある程度の張りと堅さと感度です。』
 『アリヴェールのクオリティーで開発されるのであれば、面白そうですね。』
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 こうしたやり取りを経て、長谷川スワンプネコロッド制作企画が、2007年11月スタートした。

 おおのは、長谷川さんがスワンプネコメソッドを行う上で、ロッドに求められる要素をまとめ、バスフィッシング発祥の地アメリカで幾多のプロアングラーのためのブランク作製にかかわった日本有数のロッドビルダーS氏に設計を依頼した。

 “鉄は熱いいうちに打て”の格言を実行し、2007年12月に第1サンプルができあがり、その後、2008年1月に第1サンプルのライト版である第2サンプルを仕上げ、長谷川さんに手渡し、実釣テストに入った。

 1年余りにわたるフィールドテストの中で、ガイドのサイズと種類の変更、数回にわたるグリップの変更、調整を行った。特にグリップは、ロッドの縦捌きを重視するとともに、ロッドを縦に捌くときに生ずる「横ブレ」を防ぐため、形状にこだわった。ブレなく縦捌きができないと、ワームを思うように踊らせることができない。長谷川ネコワーミングをする上で、これはロッドに求められる必須条件であった。

 上記のような理由から、フロントグリップを長く取り、リールシートはアップロックとした(フロントグリップを握るこの釣りでは、ダウンロックではスライドフードが緩む恐れがある)。グリップ部がこれまでのアリヴェールと異なる設計となっているのは、以上の理由による。




 さて、このロッド“Arriver 63 Dance”を制作する上でクローズアップされなければならないのは、長谷川耕司さんがどんな釣りをしているのか、である。既に 長谷川さんのHP の釣行記をご覧の方はある程度のイメージを持っているかもしれないが、ここはやはり本人から説明をしてもらうのが最も簡明である。

→「Arriver63dance」の使い方

 これで”Arriver 63 Dance”の使い方が、お分かり頂けると思う。


Arriver 63 Dance
Length
Power
Line
Lure
Price
6'3"
ティップ:ML
バット:M
5lbs.〜
14lbs.
1/32oz〜
5/8oz
\39,000+税


(2009.5.2掲載、2020.10.20変更)